東京電力は24日午後、福島第一原発の処理水の海への放出を始めたと発表した。大半の放射性物質を除去する「多核種除去設備」(ALPS(アルプス))に通し、敷地内のタンクで保管している水約7800トンを海水で希釈しながら、約17日間かけて放出する。
放出開始から1カ月程度は、沖合約1キロ先の放水口の周辺で海水を毎日採取し、トリチウム濃度を調べる。
午後1時ごろからは、原発内の遠隔操作室での作業の中継映像が報道陣に公開された。
運転員らは指示を復唱して確認しながら、処理水を送り出すためのポンプを起動させ、流量などを確認した。
東電によると今年度は、タンクにためている約3万1200トン分の水を計4回に分けて放出する。含まれるトリチウムの総量は約5兆ベクレルで、放出計画で定めた年間の放出上限22兆ベクレルの4分の1以下にあたる。
原発内のタンクは1千基以上あり、8月3日現在で約134万トンの水がたまっている。
汚染水は増え続けていて、放出分がそのまま減るわけではない。東電は、廃炉完了の目標の2051年までに放出を終えられるよう、計画を年度ごとに策定する方針だ。(福地慶太郎)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル